豆腐の移動販売は

  • 資金が少なくてすむ
  • エリアを自由に移動できる
  • 現金商売で資金繰りが楽
  • ターゲットが絞りやすい

・・・メリットがあります

 

では、豆腐の移動販売のデメリットは何なのか?

 

今回の記事では

  • 豆腐移動販売の最大のデメリット
  • 残った豆腐は、どうする
  • 逆転の発想で売上を伸ばす

・・・に関して深堀していきます

 豆腐移動販売の最大のデメリット:短すぎる賞味期限

豆腐の移動販売を行う上で、私が最も悩んでいるのが賞味期限の短さです。

 

特に昔ながらの製法で伝統を守っている本物の豆腐は賞味期限が短いのです

 

逆に手を加えれば加えるほど豆腐の賞味期限は長くすることが出来ます

 

一概には言えないですがスーパーで売られている激安の豆腐は、手を加えることによって賞味期限が長い傾向があります。ですから価格も安く設定することが可能になります

 

私が仕入れている豆腐は、賞味期限は僅か3日間です。しかも御客様は目が肥えている70代女性ですから、製造日から1日経つと買ってくれません。

 

・・・ということは事実上、その日に製造された豆腐は、その日に売り切らないと、かなりの確率で売れ残ることになります

 

移動販売に限らず、街の豆腐屋さんが潰れていく大きな原因は、この賞味期限の短さにあると言えます

 

では、廃棄を怖がって発注数を弱めると、どうなるか?

 

当然ですが、豆腐が足りなくなります

 

移動販売の辛いところは、豆腐が売り切れてもエリアには行かなければならない事です
これには私も、未だに心を痛めると同時に、移動販売豆腐屋の難しさを痛感しています

 

結論ですが、開業当初の3ヶ月間は廃棄覚悟で強気に発注した方が後々の事を考えるとプラスになります。
廃棄は確かに怖いですが、それ以上に怖いのが「商品ロス」です

 

「あの豆腐屋は商品が少ない」

 

・・・との印象を初めに持たれてしまうと後から覆すのは非常に困難です

 

私の場合、完全にリピーターが確立しましたので今では月の廃棄率は1%くらいです

 

でも、リピーターが確立するまでは豆腐が沢山余る日が続きました
余った豆腐を目の前にして私は、戦略を練りました

売れ残った豆腐を子ども食堂へ寄付

賞味期限が迫る、あるいは当日の販売で売れ残ってしまった豆腐。
廃棄というネガティブな選択ではなく「弱点」を「強み」に変えた画期的なアイデアがあります。

 

売れ残った豆腐を子ども食堂に寄付するという取り組みです。

 

子ども食堂は、経済的な理由などで十分に食事ができない子どもたちに温かい食事を提供する、地域に根ざした活動です。

 

単価が高く、栄養豊富な豆腐は、持ち込むと非常に喜ばれました。

 

また、私としても売れ残った豆腐を寄付することで、廃棄ロスを削減できるだけでなく、社会貢献という形で企業価値を高めることができます。

 

それまでは残った豆腐は

  • 自家消費
  • 友人・近所の方に配る

・・・しか選択肢は有りませんでした

 

しかしながら、いくら豆腐が好きな私も毎日豆腐が続くとウンザリします
また、友人・近所の方にも、そうそう配れるものでもありません

 

子供食堂への寄付という行為は、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性も秘めています。

 

子ども食堂の利用者や関係者を通じて、移動販売の存在を知ってもらう機会にもなります。

 

現実的に私は子供食堂への寄付を通して、たくさんの方と新たに知り合い人脈も手に入れました。
豆腐の移動販売だけをしていたら会う事すらないと思われる方との出会いも多いです

 

中には、子供食堂への寄付を知った地元の議員さんが賛同してくれて、その方の支援者、数十人を紹介して下さる・・・と言う予期せぬ展開も、ありました

子ども食堂寄付でメディアを巻き込む広報戦略

私は、子ども食堂への豆腐寄付を積極的にアピールすることで、売上を飛躍的に向上させることができています

 

その具体的な方法が、メディアを巻き込んだ広報戦略です。

 

子ども食堂への寄付を定期的に行うことを決め、その旨をSNSやブログで積極的に発信しました。

 

それに対して「偽善的だ」との批判も来ましたが、気にせずにドンドン発信しました

 

新たな取り組みはネガティブに捉えられることもあります

 

しかしながら、それは自分が動いて注目を浴びているからこそ来る意見なのです
そこはブレないように行動しました

 

また子供食堂のスタッフさんを通じて地域のテレビ局、新聞社、フリーペーパーなどの取材も数多く受けています

 

「豆腐移動販売業者が、残った豆腐を廃棄せずに子ども食堂に寄付し、食品ロス削減と地域貢献に努めている」というストーリーは、メディアにとって非常に魅力的なニュース素材です。

 

実際、取材に来てくれれば、その効果は絶大です。

 

特にメインターゲットである

 

70代の女性には、これが刺さるんです

 

「あんた!エエことやってるな!」

・・・と応援もしてくれますし、自分が買っている豆腐屋が宣伝されているのが嬉しいのです

 

この活動は、地域全体に事業の存在と社会貢献活動が知れ渡り、一気に認知度が向上します。

 

また、新聞や雑誌に掲載されれば、信頼性が高まり、新規顧客の獲得に繋がります。

 

取材の際には、寄付の様子だけでなく、豆腐作りのこだわりや移動販売にかける情熱なども積極的にアピールすることで、より深みのあるストーリーを伝えることができます。

 

この広報戦略のポイントは、「社会貢献」と「ビジネス」を両立させるという点です。子ども食堂への寄付という本来の目的を忘れず、しかし同時に、その活動を最大限に活かして事業の成長に繋げる視点を持つことが重要です。

まとめ

売れ残りの豆腐という「デメリット」を、子ども食堂への寄付という「社会貢献」に変え、さらにそれをメディアへの「広報」に繋げることで、事業のブランドイメージを向上させ、結果として売上を爆発的に伸ばすことが可能になります。

 

豆腐の移動販売は、賞味期限という壁を乗り越え、地域に愛され、社会に貢献する持続可能なビジネスモデルへと進化を遂げることができると確信しています