移動スーパー「とくし丸」は、近年、買い物にお困りの方々にとってなくてはならない存在として注目を集めています。
私は、現在、豆腐の移動販売をしていますが、良く移動スーパーの「とくし丸」の販売員さんと出会います
そして、とくし丸の良くも悪くも実態を聞くことが出来ました
今回の記事では実際に「とくし丸」を利用する時の「御客様」の立場としての疑問を深堀していきます
- 「とくし丸」利用方法
- 「とくし丸」利用料金
- 「とくし丸」ルートは決まってるの
- 「とくし丸」10円ルールって何
「とくし丸」の利用方法
「とくし丸」の利用方法は非常にシンプルで、特別な手続きはほとんど必要ありません。
エリア確認と事前登録(任意)
- まずはエリア確認: とくし丸は全国展開していますが、全ての地域を網羅しているわけではありません。まずは、とくし丸公式サイトなどで、お住まいの地域にとくし丸が巡回しているか、または巡回予定があるかを確認しましょう。地域によっては、提携しているスーパーの名前が記載されていることもあります。
- 事前登録は任意: 基本的に、事前の会員登録や申し込みは不要です。初めて利用する方も、巡回時に直接声をかければ利用できます。ただし、定期的な訪問を希望する場合や、特定の商品のリクエストをしたい場合は、担当販売員にその旨を伝え、ルートに組み込んでもらう形になります。
自宅前まで巡回・停車
- 定期的巡回: とくし丸は、週に数回、決まった曜日と時間帯に、決められたルートを巡回します。お住まいの地域に巡回しているとくし丸があれば、あなたの自宅前や近所の集合場所(公園の入り口など)まで軽トラックでやってきます。
- サインや声かけ: 自宅近くに「とくし丸」のメロディが聞こえてきたら、手を振ったり、声をかけたりして販売員に知らせましょう。停車してもらい、商品の買い物ができるようになります。
- 「御用聞き」スタイル: 販売員は、お客様一人ひとりの名前を覚え、日々の生活状況や好みを把握する「御用聞き」スタイルを大切にしています。これにより、単なる買い物だけでなく、コミュニケーションの場としても機能します。
車内で商品を直接選んで購入
- 豊富な品揃え: 軽トラックの荷台は、まるで小さなスーパーマーケットの冷蔵庫のようになっています。生鮮食品(野菜、果物、肉、魚)、加工食品(パン、牛乳、豆腐、惣菜、弁当)、日用品(洗剤、トイレットペーパーなど)まで、約400品目もの商品が積載されています。
- 直接手に取って選べる: お客様は、車内に入って商品を直接手に取り、品定めすることができます。これは、事前に注文して届けてもらう宅配サービスにはない、とくし丸ならではの大きな魅力です。
- 販売員への相談: 「今日の晩御飯は何にしようか」「この野菜はどう調理したら美味しい?」など、販売員に気軽に相談できます。商品のことだけでなく、地域の情報交換の場にもなります。
- 個別対応: 「〇〇が欲しいんだけど、置いてないかしら?」「次回△△を持ってきてほしい」といった要望にも、販売員が可能な範囲で応えてくれます。
その場で現金支払い
- 現金決済が基本: 購入した商品は、その場で現金で支払うのが基本です。高額な商品を取り扱うことは少ないため、小銭を用意しておくとスムーズです。
- その他の決済方法: 一部のとくし丸では、電子マネーやキャッシュレス決済に対応している場合もありますが、これは提携スーパーやオーナー(販売員)によって異なるため、事前に確認するか、現金を用意しておくのが確実です。
「とくし丸」の利用料金
とくし丸の利用料金は、スーパーで商品を購入する際の価格に加えて、「とくし丸サービス料」という特別な費用がかかります。
基本はスーパー価格+10円
- スーパー価格: とくし丸で販売されている商品の価格は、基本的に提携している地域のスーパーマーケットの店頭価格と同じです。
- 「10円ルール」: 後述しますが、このスーパー価格に**1品あたり10円(税別)**が「とくし丸サービス料」として上乗せされます。この10円が、移動販売というサービスを提供するための対価となります。
事前注文商品の料金
- サービス料は変わらず: 事前にお客様から「次回〇〇を持ってきてほしい」と依頼があった商品も、基本的にはスーパー価格+10円となります。特別な送料などが別途かかることは稀です。
高額商品や特別注文の場合
- 高額商品: 例えば、お中元やお歳暮といった高額な商品や、特別な銘柄肉、鮮魚などを特別に注文した場合、10円ルールとは異なる形で手数料や送料が加算される可能性があります。これは通常のサービスとは異なるため、事前に販売員と相談し、料金を確認することが重要です。
- 配達料は無料: 通常の巡回販売であれば、お客様の自宅まで商品が届くことに対する「配達料」は基本的に発生しません。10円ルールがその役割を兼ねています。
なぜ「10円」なのか?
この10円という金額設定は、お客様にとって大きな負担にならないよう配慮しつつ、移動販売員が事業を継続していくための収益を確保するための仕組みです。高齢者の方々が安心して利用できるような料金設定を目指しています。
「とくし丸」ルートは決まってるの?
とくし丸の巡回ルートは、基本的に決まっています。
しかし、その決定には効率性とお客様のニーズの両方が考慮されています。
固定ルートと巡回スケジュール
- 週に数回巡回: とくし丸は、週に2回または3回、決まった曜日と時間帯に、それぞれ異なるルートを巡回します。例えば、「月・木曜はAルート」「火・金曜はBルート」といった形です。
- 個別訪問: 自宅前まで訪問するサービスのため、一度ルートに組み込まれると、お客様の自宅を定期的に訪れるようになります。
- スケジュールは担当者と相談: 初めて利用する際に、担当販売員に「毎週〇曜日の〇時頃に来てほしい」といった希望を伝えることで、ルートや訪問時間がある程度調整されることがあります。
ルート設定の背景
- 効率的な巡回: 販売員は、できるだけ多くの顧客を訪問し、売上を最大化するために、無駄のない効率的なルートを設定します。移動距離や時間を最小限に抑えつつ、顧客密度が高いエリアを優先することが多いです。
- 地域ニーズの反映: 地域の高齢者人口、スーパーへのアクセス状況、お客様からの要望などを考慮して、ルートは柔軟に調整されます。新しい住宅地や集合住宅からの要望があれば、ルートが延長されたり、新しいルートが設定されたりすることもあります。
- 販売員による調整: 実際に現場を回る販売員自身が、お客様の生活リズムや要望に合わせて、訪問順や滞在時間を微調整することもあります。これにより、お客様にとってはより利便性の高いサービスとなります。
新規顧客獲得とルート拡大
- 口コミと紹介: 「とくし丸が来てくれて助かるわ」といったお客様の声が、新たな顧客を呼び込み、ルートの拡大に繋がることもあります。
- 地域活動への参加: 販売員が地域のイベントに参加したり、自治会や民生委員と連携したりすることで、とくし丸の認知度を高め、新たな顧客を開拓する努力も行われます。
「とくし丸」10円ルールって何?
「とくし丸」の「10円ルール」は、とくし丸のビジネスモデルを理解する上で非常に重要な要素です。
「10円ルール」の仕組み
- 1商品につき10円(税別)加算: お客様がとくし丸から商品を購入する際、スーパーの店頭価格に加えて、1品目あたり10円(税別)が上乗せされる仕組みです。
- 例: スーパーで100円(税別)の牛乳を買えば、とくし丸では110円(税別)になります。500円(税別)の弁当を買えば、とくし丸では510円(税別)になります。
なぜ10円ルールが必要なのか?
この10円は、移動販売というサービスを維持し、販売員の活動を支えるための「サービス料」としての役割を担っています。
- 販売員の収益源: 販売員(オーナー)は、この10円ルールによる上乗せ分を主な収益源とします。これに加えて、提携スーパーからの協力金や、一部商品の卸価格調整分などが加わり、販売員の生活を支える収入となります。
- 車両維持費: 移動販売には、車両の購入・リース費用、燃料費、メンテナンス費、保険料など、多くの経費がかかります。10円ルールは、これらの車両維持費の一部を賄う役割も果たします。
- 時間・労力への対価: お客様の自宅まで商品を運び、対面で販売する手間や時間、労力に対する正当な対価となります。スーパーまで行けないお客様にとっては、この10円を支払うことで得られる利便性や安心感は、価格以上の価値があります。
- サービス継続性: この10円があるからこそ、とくし丸は過疎地域や買い物困難な方々の元へ、継続的に商品を届けることができるのです。この仕組みがなければ、移動販売事業の採算が取れず、サービス自体が成り立たなくなってしまう可能性があります。
お客様にとってのメリット
一見すると「割高」に感じるかもしれませんが、お客様にとっては以下のような大きなメリットがあります。
- 交通費の節約: スーパーまでタクシーを利用したり、家族に送迎してもらったりする費用や手間が省けます。
- 時間の節約: 買い物にかかる時間や労力を大幅に削減できます。
- 重い荷物からの解放: 重いお米や飲み物なども、自宅前まで届けてもらえるため、運ぶ手間がありません。
- 直接見て選べる安心感: ネットスーパーなどではできない、商品を直接見て選べるという安心感があります。
- コミュニケーションと見守り: 孤独になりがちな高齢者にとって、販売員との会話は貴重な機会であり、見守り機能も兼ねています。
まとめ:地域と人を繋ぐ「とくし丸」の価値
移動スーパー「とくし丸」は、単なる買い物サービスを超え、地域社会のインフラとして、そして人々の生活を支える重要な役割を担っています。
その利用方法は非常に簡単で、事前の登録も基本的には不要です。
料金は商品価格に1品あたり10円(税別)のサービス料が加算されますが、これは移動販売という手厚いサービスを提供するための必要経費であり、お客様が得られる利便性や安心感を考慮すれば、十分に納得できる価格設定と言えるでしょう。
巡回ルートは決まっていますが、お客様の要望に応じて柔軟に調整されることもあります。
私は「とくし丸」の販売員さんから10円ルールを聞いた時は衝撃を受けました。
果たして10円の上乗せだけで、やっていけるのか?
実は「公には、ならない仕組み」が有ったのですが・・・
この続きは、また次回に。。。